2010年11月20日土曜日

ATRトレーリングよりも良いトレーリング (NCトレーリング)

前回の投稿からいろいろ考えてATRトレーリングよりも良くするにはどうするのかを考えました。良いトレーリングはトレーリング幅を狭めるべく時と狭めずに待つべき時の状況判断が良くできるトレーリングだと考えて、まずはどのタイミングでトレーリング幅を狭めて良いのかを考えました。

例えば新値(5)を更新したタイミングでトレーリング幅を狭めるとかそういう考えも良いかもしれませんが、今回は別のところ(Larry Williams氏のサイトでhttp://www.ireallytrade.com/というサイトがあるのですがそこでメールアドレスを登録すると読める記事)でヒントを得たFalse Breakの条件の一つをきっかけとしてトレーリング幅を狭める方法を試みました。(種明かしは一番下です) そのサインになぞらえて「NCトレーリング」という名前で以下に説明します。

ATRトレーリング(Factor=1.0)とNCトレーリング(Factor=1.0)をチャート上でみると以下のような感じです。
例えば★の地点でロングエントリーをしたとします。ATRトレーリングはATR(14)の距離だけ離れてトレーリングしていきます。なので赤い矢印の箇所で引っかかってしまいます。 一方NCトレーリングはATRに近い考え方で距離自体は決めますがATRトレーリングのようにやみくもに近づいては行きません。安全と判断した時にだけ近づいて行くようにしました。なのでここでは青の矢印までストップに引っかかることなく到達しました。この図ではNCトレーリングに軍配が上がりますがATRの方が結果的にたくさん利益が残せるパターンももちろん多々ありましたので実際どちらが良いのか判断がつきかねます。

そこで前回やったランダムエントリー&ATRトレーリングエグジット対ランダムエントリー&NCトレーリングエグジットを比較してどちらが良いのかを調べることにしました。結果は以下のような感じでNCトレーリングはやはり良いようです。(今まで同様に16通貨ペア2001年から2010年途中までの1時間足のデータで、スプリットは0.025%として計算しています)

上記の結果は面白いなと感じています。前回のATRトレーリングの検証もそうですが今回もエントリーはでたらめなタイミングででたらめな方向にエントリーしています。にもかかわらずエグジットだけで少しではありますがスプリット分の0.025%を稼ぎ出しているという点です。(ちなみに0.025%といえば例えばEURJPYの今現在の値で換算すると2.8 pipsということになります)

最後にNCの種明かしですが、NCはNaked Closeの略です。なのでNCトレーリングは最新終値が一つ前の高値を超えた(Naked Close)タイミングで近づくということをやっています。

---------------------------------

その後NCトレーリングの場合の距離計算(上記の「ATRに近い考え方で距離の計算」)をATRトレーリングとまったく同様のATR(14)で計算させたらどうなるのかなとふっと思ったのでやってみました。ちなみに上記のNCトレーリングではNaked Closeが起こった時のTRで距離の計算を行っています。

ほんの軽い気持ちで試したのですがこの距離の計算方法で結構結果が変わりました。

この結果とチャートをながめていて思うところはNCトレーリングでせっかく見極めたはずの近づくタイミングの効果が、近づかないでいることで取り損なうマイナス効果で相殺されてしまっているという事です。一気に大きくあるいはその反対に今まで以上に小さく値が動いた時の変化のスピードについていくためにはATRの期間は短い方が良いという事かもしれません。

0 件のコメント: